震災からの日々。

(読売新聞より)

2005年のJR福知山線脱線事故で犠牲になった男性が愛用していたサイレントドラム
セットが、男性の妻から被災した子供たちのために楽器を集めている仙台市の「楽器
BANK」に寄贈された。その女性は「懸命に生きる子供たちに使ってもらえれば、夫も
喜んでくれるはず。」と話している。音楽が共通の趣味だったご夫婦の幸せな日々は
事故で突然終わった。その女性は部屋にドラムセット飾り、泣いて過ごしてきたが、7回忌にあたる今年、「思い出は心の中に」と一歩を踏み出そうとしていた時に震災が発生。楽器BANKの活動を知り、ドラムセットと自らのトランペットを贈る事にした。「これで私も前を向いて生きていける。」と話している。楽器BANKを設立した東北高校音楽部顧問の先生は「傷ひとつなく、どれほど大切にしていたかがわかる。」と話しており、希望する学校などを探している。

という記事を読みました。
あの痛ましい列車事故で突然奪われてしまったご主人との時間・・・
7回忌を迎え、心の整理をつけようとされた女性が、この東日本大震災で突然、命を
奪われてしまった多くの方々の事を思い、また、そのご家族や周りの方々、残された
方々の心を支えてあげたいという強い思いで、ご主人の形見の品を寄贈されたのだと
思いました。
東日本大震災のあの日、午後2時過ぎ、もしかしたら音楽のレッスンに行っていた
子供たちがいたかも知れません。学校のグラウンドで部活をしていた子供たちが
いたかも知れません。お家で風邪をひいて、1人で寝ていた子供たちがいたかも
知れません。
その子供たち1人1人が一体どれ程の恐怖を感じたのか、はかりしれません。
震災から5ヵ月がたちましたが、私たちはまだ深い悲しみの中にいます。
これから先、長い時間をかけての復興と、さらに長い時間をかけての心の復興のため、
私たちはあの日の出来事を決して忘れてはならないと思います。
 

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