生かされている私たち。

(読売新聞より)  ソプラノ歌手・森 麻季さん
東日本大震災の復興支援コンサートで出演の出番を待つ間に取材した。
「世の中、楽しいことばかりじゃない。そういう時に心に響く音楽を大切にしたい。」
強く言いきれる理由がある。2001年9月11日朝、アメリカ・ワシントン市内で出演する
オペラの練習中に同時テロに遭遇した。郊外に避難したまま通し稽古なしで3日後に
本番を迎えた。「こんな状況で本当に歌っていいのか不安だった。」
だが幕を開くと、客席を埋めた聴衆から大喝采が起こった。「悲痛な気持ちから立ち
直るためにみんな音楽を求めている。」と確信した。大きな災害に直面した時、音楽家は
決して非力ではない。なぜなら「亡くなられた人のために祈り、生きている事の素晴らしさを伝える事ができるから。」
当日は東京オペラシティコンサートホールで、モーツァルトの『レクイエム』などを
歌う。・・・

という記事を読みました。
『世の中、楽しいことばかりじゃない』と記事にもありましたが、アメリカの同時多発テロも、東日本大震災も、また歴史をひも解けば、名の付く大きな出来事を始め、名も無き
人々の数限りない方々の尊い命の上に、今の私たちは生きています。
生かしてもらっている、という言い方の方が正しいかもしれません。
1つの音楽が完成するためには、作曲家の心が動き、演奏家の心が動き、コンサートで聴衆の心が動いて初めて完成されます。
『レクイエム』とは鎮魂歌の事です。
音楽によって少しでもその荒ぶる魂を鎮め、生きて行く人々の心を癒すことが
できたらと思います。
切なる願いです。

 

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